GeneTechコラム

NIPTでは、赤ちゃんの染色体についてどのように調べているのでしょうか?

出生前検査

NIPT(新型出生前診断)の検査原理

妊婦さんの血液中には、妊婦さんと赤ちゃんのDNA断片が存在します。
そのうち2~40%が赤ちゃん由来のDNA断片で、NIPTはそれらを用いて、21番、18番、13番染色体のトリソミーを調べる検査です。

検査の原理

次世代シーケンサー(NGS)の技術を用いたMPS(massively parallel sequencing)法では、血液中に含まれるひとつひとつのDNA断片の情報(塩基配列)を読み取り、そのDNA断片が何番の染色体由来かを決定し、分類をします。
分類後に、21番、18番、13番染色体由来のDNA断片の量的な割合を標準値と比較することで、特定の染色体に変化が生じているかを判定します。

ダウン症候群(21トリソミー)の場合

通常21番染色体は本あり、その場合のDNA断片量は図の左側のようになり、「陰性」と判定されます。
ダウン症候群では、21番染色体が本あるので、図の右側のように21番染色体由来のDNA断片量が増え、「陽性」と判定されます。

検査の留意点

検査結果は「陰性」または「陽性」で判定され、妊婦さんへ報告されますが、まれに「判定保留」と報告される場合があります。これは「陰性」でも「陽性」でもないという結果を意味しています。
血液中に含まれる赤ちゃん由来のDNA断片が足りない場合や、妊婦さんの服薬の影響がある場合などに起こります。
また、検査結果が「判定保留」の場合には、再度採血を行い、NIPTを行うことがあります。

なお、検査結果の解釈については、別のコラムで詳しくご説明します。