GeneTechコラム

胎児ドックとは

インターネットやテレビを通して、「胎児スクリーニング検査」、「胎児超音波スクリーニング検査」、「胎児初期精密検査」という言葉を目にする妊婦さんもいるかと思います。
今回のGeneTechコラムでは、さまざまな名前で呼ばれることのある「胎児ドック」についてご説明いたします。

胎児ドックとは

胎児ドックは出生前診断のうち、非確定的検査に分類されており、超音波機器を使用した検査です。
胎児ドックで行う超音波検査は妊婦健診で赤ちゃんの様子を確認する「通常超音波検査」とは異なり、「胎児超音波検査」と呼ばれ、お腹の赤ちゃんの形態や発育状態を詳細に観察し、赤ちゃんの病気の可能性について調べます。
日本産科婦人科学会では、赤ちゃんの形態の変化を見つけるために必要な胎児超音波検査の回数を、妊娠初期(妊娠10週~13週)、妊娠中期(妊娠18週~20週)、妊娠後期(妊娠28~30週)の3回と提言しています。
なお、 受検可能な週数や検査内容は病院によって多少異なる場合があります。

各検査時期による赤ちゃんのチェック項目

①妊娠初期(妊娠10~13週)

この時期には、赤ちゃんは人間としての形が形成されるため、大まかな形態の状態を確認します(全身の形態、脳や顔の構造、大まかな心臓の構造、腹部、膀胱、臍帯、四肢の確認など)。
NT測定やコンバインド検査と組み合わせて実施する病院もあります。

②妊娠中期(妊娠18~20週)

この時期には、赤ちゃんの心臓をはじめ、内臓が小さいながらもかなり見えるようになり、詳細な形態の状態を確認します(大脳、小脳、顔面、心臓、肺、肝臓、胃腸、腎臓、膀胱、外性器、四肢、臍帯、胎盤の確認など)。

③ 妊娠後期(妊娠28週~31週)

妊娠中期(妊娠 18 ~20 週)の検査では問題がなくても、その後の発育途中の段階で形態の変化が現れたりすることがあります。
なお、チェック項目は妊娠中期の検査とほぼ同じですが、さらに詳細な形態の状態を確認します。

NIPTと胎児ドックの違い

胎児ドックを実施している病院は多く、年齢制限もありませんが、精度面においてはNIPTより低くなっています。
そして、NIPTも胎児ドックも非確定的検査のため、母体や胎児への身体的負担はほとんどありません。
また、どちらも流産の可能性がある羊水検査を避けることができる、という点も共通しています。

胎児ドックを受けるか、NIPTを含めその他の出生前診断を受けるか、そもそも出生前診断を受けるか受けないか、悩まれている妊婦さんやパートナーの方もいらっしゃるかと思います。
臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーのいる病院で遺伝カウンセリングを受けていただき、お二人に合った選択ができるよう十分ご相談ください。