新型出生前診断(NIPT)

新型出生前診断(NIPT)とは

新型出生前診断(NIPT)は、妊婦さんの血液中に含まれる赤ちゃんのDNA断片を分析することで、赤ちゃんの特定の染色体疾患を調べることができる検査です。
NIPTのより正確な名称は、「無侵襲的出生前遺伝学的検査」または「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査」ですが、母体血清マーカー検査等と比べて最近開発・導入されたため、国内では「新型出生前診断」とも呼ばれています。

新型出生前診断(NIPT)は、具体的に次の3つの疾患を調べることができます。

  • ダウン症候群
  • 18トリソミー
  • 13トリソミー

これら3つを合計すると、胎児の染色体疾患の約7割に相当します。

新型出生前診断(NIPT)は、国内では2013年4月から2017年3月までの4年間で48,643名の妊婦さんに受検されています。

なお、海外では上記3つ以外の疾患も調べることができる国もありますが、現在国内では日本医学会および日本産科婦人科学会等の指針により、3つの疾患のみしか調べることができないとされています。

新型出生前診断(NIPT)の特長

従来の非確定的検査と比べて、精度が高い

  • 従来の非確定的検査(母体血清マーカー検査やコンバインド検査)は、母体血清マーカー検査で感度80%、コンバインド検査で感度83%でした
  • これに対して、新型出生前診断(NIPT)は感度99%と精度が高く、赤ちゃんの染色体疾患をより正確に発見することができます
  • ※40歳の妊婦さん(ダウン症候群が100人に1人生まれる)の集団の場合


採血のみで検査ができるため、流産・死産のリスクがない

  • 確定的検査(羊水検査や絨毛検査)は、羊水検査で1/300、絨毛検査で1/100の確率で、流産・死産のリスクが存在します
  • これに対して、新型出生前診断(NIPT)は採血のみで検査ができるため、流産・死産のリスクがなく、安全な検査です

妊娠周期の早い時期(妊娠9~10週以降)から検査可能

  • 従来の非確定的検査(母体血清マーカー検査やコンバインド検査)は、早くても妊娠11週以降でないと受けることができませんでした
  • これに対して、新型出生前診断(NIPT)は妊娠9~10週以降から受けることができ、赤ちゃんの状態を早く知りたいと思う妊婦さんにとっては、よりよい選択肢となります

新型出生前診断(NIPT)の結果

検査結果は「陰性」または「陽性」で判定されますが、まれに「判定保留」という結果があります。
これは陰性でも陽性でもないという結果で、具体的には、採血した血液中のDNA量が足りない場合や、投薬の影響などで検査結果が出ない場合に起こります(GeneTechの国内検査全体の0.37%(2017年12月現在))。
なお、検査結果が判定保留の場合、再検査を行うことがあります。

新型出生前診断(NIPT)の注意点

新型出生前診断(NIPT)は精度が高い検査ですが確定的検査ではありません。
陽性または判定保留が続いた場合、検査結果を確定させるための検査(羊水検査または絨毛検査)を受ける必要があります。

新型出生前診断(NIPT)にかかる費用

検査費用は約15~21万円です(医療機関によって異なります)。
なお、陽性または判定保留が続いた場合は確定的検査(羊水検査または絨毛検査)を受ける必要がありますが、日本医学会の認定施設では、ほとんどの施設で新型出生前診断(NIPT)の価格に確定的検査の費用も含まれています(医療機関によって異なります)。

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