NIPT認証制度と
遺伝カウンセリング

NIPTにおける
施設認証制度とは

日本医学会は、出生前検査についての情報提供、NIPTを実施する施設認証、検査精度評価などの機能を担う出生前検査認証制度等運営委員会を設けています。
そして専門家のサポート体制を含めた、一定の要件を満たした施設(医療機関)のみを、「NIPTの実施施設」として認証しています。
NIPTを安心して受けていただくためには、

  • 検査の目的
  • どのような妊婦が検査対象となるのか
  • 結果をどのように解釈すべきか
  • 結果を受けてどのように行動すべきか

などについて、検査の前後に遺伝関連の専門家等による遺伝カウンセリングを受けることが必要です。
このような十分な遺伝カウンセリングを受けることのできる施設でのみNIPTを受けることができるとすることで、妊婦さんやご家族が安心してNIPTを受けるようにするのが、認証登録制度の目的です。
2024年10月1日時点で、認証施設(医療機関)は全国に562施設あります。
認証施設の一覧や認証制度の詳細な情報は、日本医学会「出生前検査認証制度等運営委員会のwebサイト」をご参照ください。

なお、認証をされていないにも関わらず、NIPTを実施する非認証施設が増加しています。
このような非認証施設では、妊婦さんやパートナー、ご家族に対し、検査前後の遺伝カウンセリングで適切な情報提供が行われておらず、不安や困惑から再度、認証医療機関にて説明を受けるという事例も散見されています。
苦しい思いをしたり、過度の不安を感じたりすることがないよう、必ず認証医療機関で受けるようにしましょう。
国や、日本医学会、日本産科婦人科学会も、認証医療機関での受診を強く推奨しています。

遺伝カウンセリングについて

NIPTを受ける際には、遺伝関連の専門医や認定遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリングがカップルにとって意思決定の大きな手助けになります。

遺伝カウンセリングでは何がわかるの?

NIPTの遺伝カウンセリングでは、以下の内容などについて、科学的根拠に基づく正確な医学的情報の説明を専門家からわかりやすく受けることができます。何を重視するのか、何が大切なのか、カップルでよく考えて、納得がいく選択をすることが重要です。

  • そもそも、なぜこの検査を受けようと思うのか
  • 検査の方法と、その検査で何がわかるのか
  • どの検査を受けるのか、あるいは検査を受けないのか
  • 検査の結果(陰性/陽性など)がどのような意味をもつのか
  • 検査の結果を受け、どのように判断(意思決定)し、行動していくのか

適切な遺伝カウンセリングを受けることによって、初めて本当の意味で検査を正しく理解し、自分達に合った選択をすることができるといえます。

納得のいく選択・決断をするために

NIPTは、精度の高さから確定的検査と混同されることがあります。
そのため、正しい知識を身につけたうえでの選択をするためにも、日本医学会は、遺伝関連の専門医や認定遺伝カウンセラーから遺伝カウンセリングを受けることを原則としています。

遺伝関連の専門医や認定遺伝カウンセラーは、多くのカップルの家庭状況や境遇、赤ちゃんに関する相談を受けてきたプロフェッショナルです。
出生前診断(検査)は、カップルが難しい決断を迫られる場面が数多く出てきます。意思決定をするうえで、遺伝関連の専門家は親身に話を聞いてくれ、疑問や不安を整理しサポートをする存在です。
話を丁寧に聞きながら、カップル自らの力で医療技術や医学情報を利用して問題を解決していけるよう、心理面や社会面を含めた支援も行ってくれます。