GeneTechコラム

新型出生前診断と呼ばれることも多い、NIPTについてご説明いたします。

出生前検査

NIPT(新型出生前診断)とは

日本での現況

NIPT(non-invasive prenatal genetic testing)は、2011年10月に米国で開始、本邦には2013年に導入され、「新型出生前診断」として周知され始めました。日本産科婦人科学会では「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査」、 NIPTコンソーシアムでは「母体血胎児染色体検査」「無侵襲的出生前遺伝学的検査」と様々な名称で呼ばれています。
本サイトでは、「新型出生前診断」の名称で統一しています。

NIPT(新型出生前診断)とは

NIPTとは、妊婦さんの血液中に含まれる赤ちゃんのDNA断片を分析することで、赤ちゃんの染色体の変化を調べることができる出生前診断です。
検査の対象となる染色体疾患は、ダウン症候群(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーの3つです。これら3つを合わせると、胎児の染色体疾患の約7割に相当します。
NIPTではこれら3つ以外、その他の染色体疾患や先天性疾患などは対象となりません。
なお、それだけでは結果が確定しない、「非確定的検査」のため、陽性結果が出た際には、確定的検査が必要です。

NIPTの特長

これまで唯一の「精度の高い検査」であった確定的検査(絨毛検査や羊水検査)は妊婦さんには「おなかを刺す」こと、赤ちゃんには「流産のリスクを伴う」ことという、妊婦さんにとって大きな負担や影響を与えるものでした。
NIPTは、妊婦さんの血液から赤ちゃんの染色体の変化を調べるので、「安全(非侵襲的)」という特長があります。採血のみで検査ができるため、流産や死産のリスクがありません。
また、他の非確定的検査(母体血清マーカー検査やコンバインド検査)と比べて「精度(感度)(※)が高い」という点も特長です。
さらに、妊娠10週と早い時期から検査が可能なので、今後の妊娠・出産についてお二人で十分に考える時間があることも特長といえます。
※ 精度(感度)とは、染色体疾患がある赤ちゃんを検査で検出できる割合を言います。